鶏ガラから作るコンソメスープ
日本ではコンソメの素や、ブイヨンの素が普通に売られています。何が違うの?と聞かれてもメーカーの人ではないので答えようはないのですが、細粒の話ではなく根本的な話であればコンソメとブイヨンは間違いなく違います。
牛骨や鶏ガラ、牛すね肉に香味野菜・ハーブなどからだしを取り、漉しただし汁がブイヨンです。このブイヨンからさらに灰汁を取りまくって澄ませたのがスープがコンソメスープになります。
普通ブイヨンには焼き色を付けた素材などを使わないですし灰汁もよくうのでブイヨン自体が済んでいるだし汁ですが、コンソメはこれをさらに澄ませます。時間をかけて極限まで澄ませます。
日本ではコンソメスープというとコンソメの素を入れたスープになってしまい、コショウや七味やタバスコだのを入れて楽しむものとなってしまっていますが、元来コンソメスープとはとても手間がかかったスープです。何しろフランス語でコンソメ(consommé)とは「完成された」という意味(らしい)ですから、もともとはそういうものなんです。
日本で売られている細粒はおそらくスープにするときはコンソメの素、カレーなどの隠し味に使うにはブイヨンと使い分けるのだと思います。普通にコンソメ使う人が多いと思いますけどね。
ちなみに、牛骨や鶏ガラ、牛すね肉に香味野菜・ハーブなどを煮込んで漉しとらずそのまま出せばポトフとなります(骨は除くでしょうけど)。
日本ではコンソメ細粒を使って味付けしウィンナーやベーコンと野菜を煮て作るのが普通ですが、聞きかじった話だとフランスではポトフを作る際細粒を使う人はあまりおらず、野菜で普通にだしをとっている人が多いようです。フランスの野菜が日本よりミネラル分が多いことも起因していると思います。
ブイヨンを作るにもいろいろな出汁の取り方があるようですが、今回は鶏ガラと牛すね肉、香味野菜を使ってブイヨンをつくっていきたいと思います。
寸胴に牛すね肉とよく洗った鶏ガラ、長ネギを入れて水から煮出し始めます。
さらに玉ねぎ、ニンジン、セロリににんにく、タイム・ローリエを加えて煮込み始めます。
材料は一切焼き色をつけず、生のまま入れています。
灰汁をジャブジャブ出てきますが、全て丁寧にすくい取りながら3~4時間ほどスープを澄ませ、澄んだらザルやシノワで漉します。だし汁がブイヨンになります。
こちらは牛すね肉とニンジンです。いわゆるポトフになります。もちろんこのまま頂けます。
このブイヨンをコンソメスープにするために、さらに澄ませます。
牛赤身のミンチ、卵白、みじん切りにしたタマネギ・ニンジン・セロリを粘り気が出るまで掻き混ぜたものと、弱火にかけて丁寧に灰汁を取りながら人肌くらいまで温めたブイヨンを合わせ、中火にかけ木べらで混ぜ合わせます。
焦がさないようによく気をつけてしっかり掻き混ぜますが、卵白が固まってきたら混ぜるのを止めないといけません。
写真のように材料が浮き上がってきたら真ん中を空け、タイムとローリエを加えて1時間ほど弱火で煮込みます。この間ノータッチです。
1時間ほど煮込んでザルかシノワと漉し紙で漉します。
ブイヨンより澄んでいるのがよくわかると思います。
最後に塩で味を調えて完成です。
綺麗に澄んだコンソメスープとなりました。
ゼラチンをたっぷり含んでいますので、室温まで冷やすとゼリー状になります。
いわゆるコンソメジュレ。ジュレにしてもおいしく頂けます。
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