ボールを前に運ぶ方法は何がある?
前に進むのは大変
前に進まないと話にならない
ラグビーはボールの取り合いのために体をぶつけあっているラグビーですが、基本ボールを使った球技です。体をぶつけ合ってボールの取り合いをしながら、相手にボールを奪われないようにボールを前に運んでいくことが基本となります。
後ろの仲間にしかパス出来ないスポーツですから、パスをするだけではボールがどんどん後ろに下がっていくだけで全く前に進めません。相手の厳しいディフェンスも突破しつつ前進しなければいけないですから、ボールを1m前に運ぶのも大変な作業になります。
どのように後ろにパスしながら前進していくか。どのように相手のディフェンスを突破して前進していくか。
この難題に対して、どのチームも知恵を持ち寄り、体を鍛え、練習を繰り返して鍛錬し、様々な工夫をして前進しよう試みています。ラグビーの試合というのは、どのように前進するのか?という課題に対する答えを各チームで回答を出し合う場と言ってもいいかも知れません。
具体的にボールを前に運ぶ方法は下の3つだけ。どのチームもこの方法を毎日毎日磨きに磨いて試合に臨んでいます。
ボールを持って走る
ボールを持って制限なくいくらでも走ることが許されている数少ない球技、それがラグビー。その昔、ボールを持って走ることが禁止されているスポーツの競技中にラグビー校のエリス少年が興奮のあまりボールを持って走ったのがラグビーの起源とされていますから、そういった「ボールを持って走ってはいけない」という制限から完全に解き放たれているのがラグビーの魅力の一つでもあります(手でボールを持てる球技でも、「ボールを持って走ることが出来る歩数・距離・時間」に制限があるのが普通です)。
ボールを持って走ってくる相手を止める方法はタックルしかありません。ですから、当然ボールを持って走ればタックルが飛んできます。このタックルを吹っ飛ばす、かわしていく、スピードで抜いていくなどして前に進んでいくわけですが、ずっと走れるわけもありません。ですので、パスをつなぎながら前進していきます。「足の速い人」「屈強な人」などを織り交ぜて、チーム一体となってパスを出しながら、先頭を入替ながらながら攻撃して前進していくのが一番シンプルなラグビーです。
ラグビーでは「攻撃の選手」「防御の選手」というポジションがありません。一度攻撃に出れば、15人全員が攻撃に参加していきます。全員が一丸となってボールを持って走り、仲間にパスをつないでいく姿はラグビーの醍醐味であると言えます。
組み付いている相手を押す
ラグビーの象徴的なプレーの一つ、「スクラム」は両チームがルールに則って組み合いながら、地上に置かれたボールを取り合うプレーです。相手を押し込んで相手のボールを奪うことも出来ますし、相手を押し込みながら足元でボールをキープして押し込んでいく=前進していくことも可能です。前章で少し触れたラックも同じようにして前進することが可能・・・・とは言っても、スクラムはともかくラックを押し込んで前進するのを見ることは殆どないかと思います。組み合って押す、という代表的なプレーは「モール」、押し合いをするモールを特に「ドライビング・モール」などと呼んでいます。
スクラム・ラック・モールの細かい話は後にしますが、ドライビング・モールを相手に組まれた場合押し返す以外防ぐ方法はありません。ですので強いチームはモールでかなり前進出来ます。ただし、「モールを押し込む」には単に体が大きい、重いだけではうまく行きません。相応の鍛錬、反復練習が必要であり、日ごろの練習の成果を見せているプレーです。
ボールを蹴る(キックを使う)
「ラグビーでは前にパスすることは出来ないけど前にキックすることは出来る」ということを知っている人もいるかも知れません。その通り、前にキックすることは出来ます。矛盾を感じますか?
種明かしをすると、ラグビーでは前にキックすることは出来るものの、このボールを追いかけることが出来るのはキックしたプレーヤーと、このプレーヤーより後ろにいるプレーヤー(とこれらのプレーヤーに追い抜かれたプレーヤーたち)だけなんです。つまりキックを使っても前にいる人にパスは出来ないことになっています。
それでもキックをうまく使えば前に進むことも可能です。ボールを近いところに高く蹴り上げれば、味方のプレーヤーも相手と競り合えますし、相手がキャッチしたところをタックルで倒すことも可能です。ただし、ラグビーは走ったり押し合ったりすることが魅力のスポーツですから、キックばかりのラグビーでは面白くありません。ですので、ルールで様々な制限が掛けられています。この辺りの話はまた後ほど・・・
どのように前に進もうとするか注目して見よう
以上、前に進む3つの方法のお話をしました。難しいお話もあったかも知れませんが、「どのように前に進むか」どのチームもそれぞれ得意な分野を活かそうと試行錯誤の上鍛錬を重ねています。各チーム・プレーヤー等個性が色濃く出ますので、注目してみて下さい。
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