関東大学ラグビーリーグ戦公式戦
日本大vs東海大
得点表
日本大 | チーム | 東海大 | ||
19 | 合計得点 | 19 | ||
前半 | 後半 | ハーフ | 前半 | 後半 |
7 | 12 | 得点 | 7 | 12 |
1 | 2 | トライ | 1 | 2 |
1 | 1 | ゴール | 1 | 1 |
0 | 0 | PG | 1 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
メンバー表
日本大 | |||
No. | 氏名 | 年 | 出身校 |
---|---|---|---|
1 | 鈴木 哉斗 | 4 | 開志国際 |
2 | 林 琉輝 | 3 | 日本大学 |
3 | 山内 開斗 | 4 | 佐賀工業 |
4 | 趙 誠悠 | 4 | 大阪朝鮮 |
5 | テビタ ・オト | 4 | トンガ |
6 | 板倉 正矢 | 4 | 清真学園 |
7 | 飯田 光紀 | 4 | 日川 |
8 | シオネ ・ハラシリ | 4 | 目黒学院 |
9 | 前川 李蘭 | 2 | 目黒学院 |
10 | 饒平名 悠斗 | 3 | コザ |
11 | 水間 夢翔 | 3 | 佐賀工業 |
12 | フレイザー・クワーク | 4 | 開志国際 |
13 | 広瀬 龍二 | 3 | 日川 |
14 | 髙野 謙人 | 4 | 静岡聖光学院 |
15 | 普久原 琉 | 3 | コザ |
16 | 竹内 治人 | 4 | 日本大学 |
17 | 井上 風雅 | 2 | 東福岡 |
18 | 岩上 龍 | 3 | 目黒学院 |
19 | 佐川 奨茉 | 2 | 佐野日大 |
20 | 熊谷 幸介 | 4 | 保善 |
21 | 石黒 康生 | 1 | 岐阜工業 |
22 | ナサニエル・トゥポウ | 3 | マトリスブラザーズ |
23 | 徳永 優太 | 1 | 佐賀工業 |
東海大 | |||
No. | 氏名 | 年 | 出身校 |
---|---|---|---|
1 | 木村 星南 | 4 | 大阪産大学附属 |
2 | 田中 煕 | 4 | 伏見工業 |
3 | 星野 克之 | 4 | 栄徳 |
4 | 小池 隆成 | 4 | 東京 |
5 | ワイサケ・ララトゥブア | 3 | RatuSirLalaSukunaMemorialSchoo |
6 | ジョーンズ・リチャード剛 | 4 | 伏見工業 |
7 | レキマ・ナサミラ | 3 | RatuNavulaSecondarySchool |
8 | ノア・トビオ | 4 | 札幌山の手 |
9 | 柴田 凌光 | 4 | 秋田工業 |
10 | 武藤 ゆらぎ | 2 | 東海大大阪仰星 |
11 | 林 隆広 | 4 | 石見智翠館 |
12 | 佐藤 粋 | 4 | 東海大相模 |
13 | 伊藤 峻祐 | 3 | 桐蔭学園 |
14 | 谷口 宜顕 | 2 | 東海大大阪仰星 |
15 | 野口 幹太 | 4 | 東京 |
16 | 徳田 悠人 | 4 | 東海大相模 |
17 | 本橋 純平 | 4 | 東京農業大学第二 |
18 | 前田 翔 | 4 | 東海大大阪仰星 |
19 | 富田 晴大 | 4 | 大分舞鶴 |
20 | 井島 彰英 | 3 | 熊本西 |
21 | 竹村 嶺 | 4 | 東福岡 |
22 | 仮屋 卓 | 4 | 関西大学北陽 |
23 | 千葉 真之亮 | 4 | 仙台育英 |
タイムライン
いよいよ迎えた全勝対決。この決戦を前に「11.21 夢の島決戦 東海大と全勝対決!!」という特設ページを作りました。ここに書かれているとおり、日大が全勝対決に臨むのは1997年「雨の駒沢決戦」以来のことです。前回の対決では関東学院大(この年箕内主将で大学選手権初制覇)でしたが、今回対峙するのはリーグ戦3連覇中の東海大。もはやリーグ戦では王者たる風格を持っていて、(数少ない)下馬評でも東海大が普通に勝つだろう、という見方ばかりでいたが、私はそうは思っていませんでした。ここまで東海大が圧倒的な勝利を収めて来れたのも、強烈なモールドライブと平穏なブレークダウンがあればこそ。逆に言えば、ここまで接戦がないということはモールを押し込めない、接点で圧力をかけられる、そんな展開になったことがないということであり日大がそんな展開に出来れば東海大に勝てる、少なくとも圧倒されるわけがない。本当にそう思っていました。
第一試合の流通経済大vs法政大戦が18-17、流通経済大のサヨナラ逆転PG決着という接戦で終了、少々熱くなった雰囲気の観客の中で始まった夢の島決戦は予想以上の激戦となりました。
雨が降りそうなコンディションの中、東海大ボールのキックオフ。日大はタッチに蹴り出さず、東海大の攻撃を受ける形になりますがまずはディフェンスで押し込みます。
東海大陣10mライン付近で、東海大ボールのファーストスクラム。スクラムに絶対の自信を持っている東海大にどれだけ対抗出来るか注目したいとことでしたが、ファーストスクラムはハリケーンズのコラプシング。この後、スクラムで圧力を受けるようになります。
東海大は日大陣22mライン手前のラインアウトからモールを組まず展開。ここでまさかのアクシデント発生。
ライン参加した東海大FLレキマ・ナサミラの足元にタックルに入った日大SO饒平名の頭部に、ナサミラの足が入ってしまい、開始3分で饒平名がまさかの負傷交替。1年生、デビュー2戦目の徳永優太が予期せぬこのタイミングでグラウンドに入ります。
そんな中でも試合は進んでいきます。先ほどのディフェンス中にハリケーンズのノット・ロールアウェイがあったため日大ゴール前5mでの東海大ボールのラインアウト。ここで東海大がノットストレート。ハリケーンズが陣地を戻します。
東海大は日大陣10mライン付近のラインアウトから攻撃を再開。ハリケーンズもタックルで応戦し、自陣からターンオーバー。ここでSH前川のキックがバウンドして東海大陣22mライン内側に入ったところでタッチに。いわゆる22:50、日大が東海大陣に入って攻撃に移ります。
ハリケーンズは東海大陣22mのラインアウトからこの試合初めて敵陣で攻撃開始。SOに入った普久原がラインブレークに挑みますが、普久原がボールを離せず東海大FLナサミラのジャッカル成功。
東海大は自陣10mライン付近のラインアウトから攻撃しますが、今度はハリケーンズディフェンスが猛チャージ。東海大のオーバーザトップを誘い、再びハリケーンズボールに。
おそらく、互いに今まで経験していない激しいボール争奪戦。今まで自由に動けてきた場面で動けない、アグレッシブなチャージを互いにやり合う展開になりつつあります。
ハリケーンズは東海大ゴール前10mに迫り、マイボールラインアウトへ。ここでモールをドライブして一気に東海大ゴール前に迫ります。
対決の争点の一つだったドライビングモール。個人的に互角かと思っていましたがハリケーンズが10m近く猛烈ドライブ。ここで反則を得て、今度はゴール前5mでのラインアウトを得ますが、ここはノットストレートで好機を生かせず。双方ラインアウトでのプレッシャーも増し、スローイングすら自由に出来ない展開になっていきます。
東海大は5mスクラムからSH柴田がショートサイドを駆け抜けてきますが、ここでハリケーンズWTB水間がビッグヒット。ジャッカル成功。
気合い充分、この試合に掛ける意気込みを感じさせるただならぬ水間の佇まい。待ち受ける姿をファインダーで捕らえた瞬間、思わず声が出ました。このタックルはPOMへの布石でもあります。
ペナルティを得て、再び東海大ゴール前10mのラインアウトからモールを組もうとするハリケーンズですがここはモールを形成できず展開。展開したところで、今度は東海大LOララトゥブアのジャッカル成功。
とにかくブレークダウンでのが激しい攻防が行われる試合となりました。どちらのチームも今までブレークダウンで差し込まれることがほとんど無かったでしょうから、互いに経験したことがない領域に入っていっています。
ともあれ、このペナルティで自陣から脱した東海大が反撃。小雨がパラついてくる中、ハリケーンズがディフェンスで奮闘。
東海大は日大陣ゴール前15m付近のラインアウトからモールを形成。懸命にドライブを試みますが、ハリケーンズFWの圧力の前に全く動かせずボールを出し、ゴールライン前の攻防もハリケーンズの圧力に屈して後退。日大陣15m付近、東海大ボールのラインアウトに移ります。
0-5
0-7
ここまで奮闘していたハリケーンズのディフェンスですがショートサイドのがギャップから突破を許しました。CTB伊藤にはWTB髙野が、FLナサミラにはLOオトがタックルに飛び込み、ナサミラもボールを落とし掛けましたがトライ成立となりました。
ここまで奮闘していたハリケーンズのディフェンスですがショートサイドのがギャップから突破を許しました。CTB伊藤にはWTB髙野が、FLナサミラにはLOオトがタックルに飛び込み、ナサミラもボールを落とし掛けましたがトライ成立となりました。
再開後は再び激しいボール争奪戦に。LO趙もジャッカル成功、ペナルティから東海大陣10mに入ります。
敵陣に入ったハリケーンズは得意の連続攻撃を敢行。東海大の低いタックルを物ともせず次々と前進、15回ものフェーズを重ね22mライン内側に入ると東海大にノーボールタックルの反則。
東海大ゴール前5mのラインアウトとなりますが、このラインアウトの前先制され気を落としているファンもいるファンもいると思いこの時「東海大は焦っている。日大は恐れず前に出ていい」とTwitterにつぶやきを入れました。
これは東海大ディフェンスを眼前にして、私が感じたことでした。先制こそしたものの、モールで優位に立てず接点で差し込まれ防御網も突破できない挙げ句にディフェンスしても攻撃を繋いでくるハリケーンズを前に、東海大の選手が普通の精神状態ではないように見えました。ノーボールタックルを見て確信し、つぶやいたことでした。
この後のラインアウトは乱れて奪われますが、22mライン付近のマイボールスクラムから攻撃再開。再び幾度もの攻撃を重ね前進すると東海大のオフサイドを誘い、東海大ゴール前5mのラインアウトに。
5-7
7-7
東海大はモールを押せず、ハリケーンズがモールを押し込んでトライを取ったことで、モールでのハリケーンズ優位が決定的になったかと思いますが、東海大も再チャレンジ。
東海大は日大ゴール前5mのラインアウトからモールを形成。しかし、ハリケーンズFWはまたも全く前進を許さず。さらにこの後ブレークダウンの攻防も制し、飯田がジャッカルに成功。
この後再びハリケーンズがターンオーバーから東海大陣に入り連続攻撃。今度は縦突破を中心にライン攻撃し前進していきますが東海大も低いディフェンスでノックオンを誘いました。
かなり消耗の激しい前半戦となりましたがまだまだ終わりません。ゴール正面30mでペナルティを得た東海大はPGを狙わずタッチからのラインアウトを選択。ここまで全く押せていないモールに再び挑戦します。
が、またしてもハリケーンズFWが完全防御。ドライブを全く許しません。それどろかゴール前のディフェンスでノックオンを誘い、カウンター攻撃をしかけ一気に敵陣に入ります。
この後、ハリケーンズボールのラインアウトが乱れ、ノックオンがあったところで前半戦が終了。
負傷退場が1名で済んでいるのが不思議なほどの、激しい接戦となりました。後半戦、さらに凄みが増していきます。
ハリケーンズボールでキックオフ。キックオフから東海大が日大陣に攻め込む形となりました。
7-12
SO武藤のG失敗。
後半戦の入りで得点し自分たちが優位に立っていることを印象付けたいハリケーンズでしたが、逆に失点し東海大に「全然堪えていない」と印象付けられてしまったような立ち上がり。やはり東海大相手に完全に優位に立つのは難しく、この後もブレイクダウンでターンオーバーの応酬がするなど拮抗した試合に。そんな中、ハリケーンズに勇気を与える独走トライが生まれます。
12-12
14-12
東海ディフェンスを切り裂く水間夢翔の真っ直ぐな走り。前半14分のタックル前の並々ならぬ気合いからその後の活躍は期待していましたが期待以上の独走トライ。真っ直ぐな走りは1997年の直接対決時にエースだった北條純一の走りを思い起こさせる。
ところで1997年の記事を書いている時、当時の日大がSO日原大介のボックスキックを北條がトップスピードでチェイスして相手ウィングにヒット、というプレーをよくやっていたことを思い出した。水間くんならピッタリと思う。
なんて話をしている間にも、試合は相変わらずブレイクダウンでのターンオーバーの応酬が行われていきます。
東海大は日大ゴール前10mのラインアウトからまたしてもモールに挑戦。しかしながらまたしてもハリケーンズFWが前進を許さず食い止め、さらにその後FLナサミラのサイド攻撃に即反応しさらにターンオーバー。すぐにバックスに繋ぎ、カウンター攻撃をしかけて行きます。
カウンター攻撃の後のラインアウトは奪われてしまうものの、さらに東海大のキックを自陣10m地点でWTB髙野がキャッチしたところからカウンター。 得意の攻撃で進撃、ハーフウェイラインまで進むとCTB広瀬がブレイク。独走し22mライン内側まで入ったところで捕まり、無念のノックオン。
後半20分過ぎから日大陣で攻撃を受ける時間が長くなりますが、ハリケーンズは相変わらずアグレッシブに対応。24分に東海大は日大陣10m付近右中間でペネルティを得てこの試合初めてのPGをSO武藤が蹴り込みますが左に逸れて失敗。
そしてこのPGを境に、膠着状態に入ったゲームも動き始めます。
ドロップアウトをハーフウエイラインでキープした東海大が攻撃を再開しますが、ハリケーンズディフェンスは相変わらずアグレッシブに応戦し、ハーフウェイライン付近でラックを激しくチャージしボールを奪取。
ドロップアウトをハーフウエイラインでキープした東海大が攻撃を再開しますが、ハリケーンズディフェンスは相変わらずアグレッシブに応戦し、ハーフウェイライン付近でラックを激しくチャージしボールを奪取。一気に敵陣に入ると、
19-12
CTB広瀬のG成功。
我慢の時間から相手陣に攻め込み一気呵成のトライ。その差を1T1G差に広げ勢いに乗るハリケーンズ。
この後のキックオフでは東海大にボールをキャッチされますが、すぐにハラシリがジャッカル成功。一時相手のキックに押し戻されますが、WTB水間のカウンターから再び攻撃。
トップスピードで相手FLにぶち当たり、吹っ飛ばして走る水間の走り。この水間の真っ直ぐな走りに感化されたのか、WTB髙野、HO井上と次次に相手に当たりながら前進。敵陣に押し戻していきます。
ここまで10分ほどハリケーンズのペースで進んできましたが、東海大陣10m付近のマイボールスクラムでペナルティを取られると残り10分というところで一転東海大ペースへ。
19-17
19-19
残り5分を切ったところで、ハリケーンズの勢いが少々薄れてきました。逆に東海大は少々力を残していたかも知れません。ハリケーンズはキックオフから敵陣に入りプレーしたいところでしたが、
東海大陣22mライン手前のマイボールラインアウトでノットストレート。さらにこの後のスクラムは粉砕されコラプシング。東海大が日大陣に攻め込む形になりました。
風雲急を告げる展開となってきました。ロスタイムに入ったところで日大陣20m付近での東海大ボールのラインアウト。反則をすればPGを狙われる、反則を許されない中で、抜かれることの許されない最後のディフェンス。
東海大も最後の力を振り絞り、最後の攻撃。ペネレーターが次々と突破を図り前進、ついには5mライン手前まで到達。
互いに最後のぶつかり合い。激闘の終わりにふさわしい緊迫感あるクライマックスとなりましたが、押し込まれているのハリケーンズの方。最後のピンチを救ったのは・・・・CTBフレイザー・クワーク。
自陣深くでペナルティを得、最後の攻撃を行うチャンスを得たハリケーンズですが、SO普久原がボールをタップしてタッチへ。ここでノーサイド。両チームが激しく体をぶつけ合った全勝対決はドロー決着となりました。
最後の攻撃を行わなかったことにいろいろな意見もあるかも思いますが、ハリケーンズにそんな力は残っていなかったと思います。最後の攻防はそれだけ激しいものになりました。
全勝対決にふさわしい激戦でした。試合までさんざん全勝対決をあおっていましたが、正直ここまでの激戦は予想していませんでした。雑感その他ここでは書き切れませんので、それはまた別の機会に・・・・。
この一戦を見て拍手を送らないラグビーファンはいません。選手の皆さんは本当にお疲れ様でした。
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