今年のハリケーンズはどこまで行けるの?
昨年より上に!
答え:それはやってみないとわからない
そりゃそうなんですけど。
今年のハリケーンズはラックを作りブレイクダウンの攻防を制しながらライン攻撃を重ねるというシンプルなラグビーで勝利を重ねてきました。複雑なムーブなどは殆ど使わず、パスを回して小刻みに前進しながら攻撃フェーズを何度も重ねてくというスタイルです。
この攻撃はまず接点で勝つことが前提条件になりますが、ハリケーンズはこの接点で無類の強さを見せています。ディフェンスでも接点で勝ってボールを奪う「ジャッカル」を幾度も見せており、その強さはリーグ戦内では間違いなく一番でした。
逆に言えば、接点で劣勢に回るとこの攻撃は継続出来ません。「接点で負けない」ことが生命線であり、生きたボールをラインに供給していくことが必ず必要となってきます。
対抗戦や関西リーグの強豪チームにハリケーンズの接点の強さが通じるか、肝になるのはこの部分であり、「やってみないとわからない」というのもこの点です。対抗戦や関西リーグでどのようなブレイクダウンの攻防が行われているか?やってみたら関東リーグ戦より激しかった、なんてこともあるでしょうから、それはやってみないとわからないのですが・・・。
ヒント:東海大
今年、ハリケーンズは東海大との全勝対決に挑み引き分けました。
木村監督率いる東海大は何度も選手権ベスト4に進んでいますし、V9を達成した帝京大を決勝で追い込んだ経験もあります。その木村監督の日大戦後のコメントを見るに、木村監督は今年のチームにかなりの手応えを感じており、リーグ戦でこのような試合を経験するとは思っていなかったようです(勝手にそう読み取りました)。
東海大戦では、ハリケーンズは特に変わった攻撃も防御もしていません。ハリケーンズらしいいつも通りのラグビーを行っていただけで、接点で勝り、生きたボールを供給し続けて、ターンオーバーを重ねていきました。東海大も想定外の接点の強さ、今まで経験したことがない強さだったのではないでしょうか(勝手にそう見えました)。
ですので、「ハリケーンズの接点の強さ」は今後も、どのチームが相手となっても絶対に機能していくと思っております。この強みを最大限に生かし、ハリケーンズらしいラグビーが展開出来れば過去最高の結果を残していけるはずです。
必ずどこかで突破できる・・・
今年のハリケーンズはライン攻撃中のハンドリングエラーはほぼなく、スクラムハーフの球出しの良さも特徴としていますし、ライン攻撃の主体となるバックス陣はどこからでもラインブレイクする力を備えています。
この辺りの強みはどこと対戦しても変わらないでしょうから、接点さえ抑えることが出来れば必ず得意の攻撃を繰り出すことが出来るはずです。得意の攻撃に移れれば、どこかしらで誰かしらが突破していける人材が揃っていますしフィジカルゲームにもって行けます。結局キモになるのは接点になります。
まだあるハリケーンズの強み
最近ではライン攻撃ばかりが目立っていますが、忘れてはいけない得点源がドライビングモールです。ハリケーンズのモールは強烈に強く、時として走りながら押し数十メートルドライブします。
東海大もモールを得点源としていましたが、ハリケーンズはその東海大にモールで完勝しています。選手権でも強力な武器となるでしょう。
不安な点はある?
良いところばかり紹介してきましたが、弱点も不安な点もちろんあります。細かいことなのでどのチームでも持っていることだと思いますが、大舞台慣れしている強豪チームは懐が広く、ひとたび穴を見つければそこを突いて点差を広げることが出来ます。この辺りはまだまだハリケーンズには及ばない点であり、力で圧倒しながら健闘で終わるというパターンもあり得ます。古い話ですが1976年の明治戦もそうだったでしょうし、1999年の慶應義塾大戦もそうでした。
リーグ戦での関東学院大戦のようなこともありえます。受けに出て様子を伺うほどの懐の広さは持ち合わせてませんから、選手権のような強豪チームしか出場しないような試合でひとたび受けに回ればそのまま押し切られることもあり得ます。
挑戦者として
法政大戦後、中野監督は「選手権に挑戦者として臨む」とコメントしています。
今年のハリケーンズは間違いなく実力を持ったチームですが、ひとたび受けに回れば相手がどこでもやられますし、「こちらが上にいるから問題ない」などと油断すれば間違いなくやられてしまいます。
どんな試合でも挑戦者として試合に臨み、雰囲気に飲み込まれなければ・・・必ずや過去最高の記録を残せる、本気でそう思っています。
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